「育児」と「子育て」には違いがあるの?
子どもを育てていると、目にする「育児」と「子育て」という言葉。
普段何気なく口にしているママも多いとは思いますが、この2つの言葉には違いがあるというのをご存じでしょうか。
同じような意味じゃないの?と驚いたママもいるかもしれません。
確かに意味合いとしては似ている、「育児」と「子育て」という言葉。
しかし、実はこれらには違いがあるんですよ。
そこで今回は、「育児」と「子育て」の違いについて、以下で詳しくご紹介します。
「育児」と「子育て」の言葉の違い
そもそも、「育児」と「子育て」とはどのような意味があるのでしょうか。
誰もが一度は目にしたことのある辞書、広辞苑では
【育児】乳幼児を育てること。
【子育て】子を育てること。
出典:岩波書店『広辞苑』
と記載されています。
つまり、「育児」と「子育て」は、「育てる」といった意味は同じものの、その対象が異なるのです。
「育児」では乳幼児を、「子育て」は子どもを育てるといった意味では、「子育て」の方が幅広い意味で使える言葉でもあります。
「育児」と「子育て」の年齢の違い
それでは、「育児」と「子育て」は、何歳から何歳までの子どもを対象とした言葉なのでしょうか。
【「育児」とは何歳の子どもを育てること?】
先述したように、「育児」とは乳幼児を育てることを言います。
そして「乳幼児」とは、生まれてから小学校入学前の子どものことを指します。
そのため、小学校入学と同時に、「育児」という言葉からは卒業となります。
【「子育て」とは何歳の子どもを育てること?】
一方で「子育て」の対象は「子」となっています。
「子」には、対象年齢はありません。
たとえ18歳になり、成人したとしても、ママにとっては可愛い「子」ですよね。
そのため、「子育て」とは、具体的に「何歳まで」という意味合いはなく、子どもが一人前になったり、一人立ちをするようになるまで使われることが多いようです。
「育児本」と「子育て本」の違いは?
書店に行くと、「育児本」や「子育て本」といった本を目にすることもありますよね。
これらは、どのような違いがあるのでしょうか。
「育児本」は、基本的には乳幼児の基本的なお世話そのものについて書かれていることが多いです。
例えば、赤ちゃんのおむつ交換や授乳、沐浴などの基本的なお世話について。
また、離乳食について書かれている本なども、「育児本」と呼ばれています。
一方で「子育て本」は、育児本とは少しニュアンスが異なることが多いようです。
育児本が「お世話の仕方」といった、動作的なものの解説が多いことに対して、子育て本は子どもとの関わり方や、しつけや遊びなどについてのことが書かれています。
近年では、「叱らない育児」「モンテッソーリ教育」や、「家でできる知育」などといったテーマが注目されていますが、これらは「子育て本」として扱われることが多いです。
また、高校・大学受験を控えた子どもを持つママ向けの本も「子育て本」と呼ばれています。
しかし、「子育て本」にはしっかりとした定義がないため、乳幼児を対象とした本を探している場合は、「育児」と「子育て」、どちらのキーワードにも着目しながら本を探してみると良いですね。
「育児」「子育て」に共通した意味
「育児」と「子育て」に共通した意味としては、子どもを「育てる」ということです。
それでは、「育てる」という言葉には、どのような意味があるのでしょうか。
「育てる」という言葉には、広辞苑では
①おいたつようにする。成長させる。養育する。大きくなるようにする。
②教え導く。しこむ。しつける。
③おだてる。煽動する。
出典:岩波書店『広辞苑』
などといった意味があります。
また、大辞林では
(1)生き物が成長するよう世話をする。
(2)次第に大きくなるようにする。
(3)能力・資質をのばすように教え導く。一人前になるようにしこむ。
(4)おだててそそのかす。
出典:三省堂『広辞苑』
とあります。
これらのことから、「育児」や「子育て」という言葉には、子どもそのものを大きく成長させるという意味のほかに、一人の人として、立派に育て上げてサポートしていくという共通の意味があることが分かりますね。
食事や排せつの管理、入浴など、最低限のことをしていれば子どもは大きくはなるかもしれません。
しかし、それは「育児」でも「子育て」でもありませんよね。
愛情をかけて子どもの成長を見守り、時には厳しく叱ることもしながら、大切なわが子が将来大人になっても困らないように、子ども寄り添ってサポートすることが「育児」・「子育て」で最も大切なことかもしれませんね。
まとめ
「育児」と「子育て」の大きな意味の違いは、その対象年齢にあります。
違いがあるとはいえ、日常でそこまで深く気にしてその言葉を使っているママは少ないかもしれませんね。
今は毎日が忙しく「育児」を楽しむ余裕がないかもしれません。
しかし、あっという間に「育児」から「子育て」へ、そしてその「子育て」も卒業する時期がやってきます。
今ある時間はとてもかけがえのない宝物であるということを忘れずに、子どもとの時間を大切にしてくださいね。