赤ちゃんの結膜炎の原因と対処法
赤ちゃんが目をかゆそうにしていたり目やにが出たりしていると、もしかしたら結膜炎かも?と心配になりますよね。
結膜が炎症することを結膜炎と呼び、結膜は目とまぶたの裏側の薄い粘膜の部分を指します。
結膜炎は主に、アレルギー性結膜炎・ウイルス性結膜炎・細菌性結膜炎に分類され、症状がそれぞれ少し異なります。
新生児から結膜炎にかかる可能性があり、夏風邪の一症状でみられることが多いですが、いずれも一年を通して起こる病気なので注意が必要です。
今回は、赤ちゃんの結膜炎の原因と対処法などについて解説いたします。
赤ちゃんの結膜炎の原因
結膜炎はアトピーなどのアレルギー性疾患や、ウイルスや細菌などの感染症や花粉などによって結膜に炎症が生じることが原因で発症します。
風邪を引いている時など、抵抗力が弱っているとかかりやすいと言われています。
保育園に通っている赤ちゃんの場合は、他のお友達からうつって罹患してくる場合もあるかもしれません。
また、清潔ではない手で目を触ったり、目をこすったりなどの刺激が原因で発症することもあります。
赤ちゃんの結膜炎の症状
結膜炎の症状は感染の原因によって異なるため、アレルギー性・ウイルス性・細菌性の場合に分類して解説いたします。
【アレルギー性の結膜炎】
強いかゆみや涙が多く出たり目やにが白っぽい場合は、アレルギー性結膜炎の可能性があり、ほとんどの場合は両目に症状が見られます。
赤ちゃんの時期よりも3〜4歳以降でかかることが多いのも特徴の一つです。
アレルギーが原因のため人にうつすことはありませんが、アレルギーが続くとまた再発する可能性があります。
【ウイルス性の結膜炎】
ウイルス性結膜炎の場合は、目やにや涙が出る・目の充血・まぶたが腫れ上がる・目がゴロゴロする、などの症状があります。
他にも、発熱などの風邪症状を伴うこともあります。
特に注意したいのが「はやり目」とも呼ばれるウイルスによる流行性角結膜炎で、アデノウイルスというウイルスが原因の場合です。
流行性角結膜炎に感染すると5日〜2週間の潜伏期間の後、サラサラした目やにや涙が出たり、眩しいと感じる症状があります。
他にもまぶたの腫れや充血も見られ、目の症状以外にも、リンパ筋の腫れも特徴です。
また、細菌感染を合併して角膜を傷つけるなど重症化しやすいという特徴もあります。
ウイルス性結膜炎の場合は人にうつりやすいため、保育園はお休みして家庭内での感染も予防する必要があります。
【細菌性の結膜炎】
汚れた手で目を触ったりこすったりすると、細菌に感染することがあります。
黄ブドウ球菌や肺炎球菌などが原因で、菌の種類によって重症度は様々です。
主な症状は、目の痛み・大量の黄色っぽい目やに・充血・かゆみ・目がゴロゴロする、などがあります。
症状だけだとウイルス性の結膜炎の場合とよく似ているため、判別するのが難しいかもしれません。
赤ちゃんの結膜炎の対処法
赤ちゃんの結膜炎が発症した場合、どのように対処すれば良いのでしょうか。
結膜炎の原因、アレルギー性・ウイルス性・細菌性に分けて解説いたします。
【アレルギー性の結膜炎の場合】
アレルギー性結膜炎の場合の原因はアレルギーなので、アレルギーの原因を特定しできるだけ取り除いて、点眼を用いてアレルギー症状を緩和させることが重要です。
【ウイルス性の結膜炎の場合】
症状が特に酷い場合はステロイドの点眼液によって対処します。
人にうつりやすいので、保育園はお休みして家庭内での感染も防ぎましょう。
【細菌性の結膜炎の場合】
軽度の場合は、抗生物質の点眼薬をつけて2〜3日ほどで治る場合が多いようです。
ただし、初期段階ではウイルス性か細菌性なのかを判断するのは難しいため、症状がみられたら自己判断せず、眼科や小児科を受診しましょう。
【受診の目安】
少し目をこすった場合に、目が赤い・涙が出る・寝起きの際に目やにがついている、などの場合は問題ありません。
ただし、赤ちゃんが起きた後に何時間経っても目が赤い・かゆそうにしている・目やにが出続けている、などの場合は結膜炎を発症している可能性があるため、できるだけ早く眼科や小児科を受診するようにしましょう。
その場合、目薬による治療がほとんどです。
また、発熱や皮膚症状など、全身に症状が出ている場合は小児科を受診する方が良いでしょう。
【家庭内での感染予防】
ウイルス性の結膜炎の場合は大人にもうつす可能性があるため、家庭内での予防が大切です。
赤ちゃんが目を触るのを防ぐのはなかなか難しいので、手をきれいに洗って常に清潔にすることを心がけましょう。
また、他に予防できることとして
・目やにはタオルや手で取るのではなくティッシュペーパーでふき取りその都度捨てる
・タオルは個別に用意し家族で共有しない
・大人が赤ちゃんの目のケアをした後はしっかり手洗いする
以上の点を注意して、家庭内での感染を予防しましょう。
まとめ
赤ちゃんが目をかゆそうにしていたり、充血や目やにが出ていたりすると結膜炎を発症しているかもしれません。
結膜炎には様々な原因があり、対処法がそれぞれ異なります。
自己判断せず、症状が見られたらできるだけ早く受診するようにしましょう。