風邪をひいた赤ちゃんの咳のケア
赤ちゃんはママのお腹の中にいた時に免疫をもらっているため、生後6ヶ月ごろまでは風邪をひきにくいのですが、その時期を過ぎると風邪をひくようになっていきます。
特に、季節の変わり目などで朝晩の寒暖の差が激しい時期には免疫力が低下しやすいですし、空気が乾燥している冬はウイルスの感染力が高くなるため、注意が必要です。
風邪の中でも咳の症状は、大人でも苦しいと感じるもの。
小さな赤ちゃんがコンコン、ゲホゲホと苦しそうにしているのはとてもかわいそうですし、少しでも和らげてあげたいと思いますよね。
風邪をひいたら病院を受診して処置をしてもらうのが良いのですが、家に帰ってきてからもできる咳の症状のホームケアを覚えておきましょう。
赤ちゃんの咳が気になったら部屋の加湿を
空気が乾燥していると、喉の粘膜も乾燥しがちに。
ストーブを使う冬はもちろん、夏場もエアコンを使っていると乾燥しがちになるため、注意が必要です。
空気を吸い込んだ時に刺激を受けると咳が出やすくなるため、部屋を加湿してあげましょう。
なお部屋の加湿は、赤ちゃんから大人への二次感染を予防するという意味でも有効です。
【適切な部屋の状態】
湿度は40~60%くらいになるよう調節しましょう。
湿度は高い方がいいと思われがちですが、これ以上上げてしまうと冬場の結露やカビ繁殖の原因となってしまい、ハウスダストなどによる咳の悪化に繋がります。
部屋の湿度は、湿度計を使うことで調節しやすくなります。
温度計と一緒になっているものや、時計に湿度計の機能が付いているものもありますので、活用しましょう。
【赤ちゃんに最適な加湿器】
加湿器を使う場合、咳が出ている赤ちゃんがいる部屋で使うので、商品を選ぶのにも注意が必要です。
・衛生的に使える…フィルターはカビが生えやすいので、お手入れが簡単でこまめにメンテナンスができるものや、空気清浄機つきのものがおすすめです。
・安全に使える…熱い蒸気が出るタイプは赤ちゃんが手を伸ばし、やけどをする危険性があるので避けましょう。
【加湿器がない場合】
家に加湿器がなく、すぐにでも加湿をしたい場合は、濡れたタオルを部屋に干しておくだけでも、加湿の効果があります。
風邪で咳が出る時は十分な水分補給を
風邪をひいて咳が出ている時は、こまめに水分補給をさせましょう。
水分を取ることで喉が加湿され、赤ちゃんの咳が少しは楽になる効果が期待できます。
また、痰のからまりがある咳の場合、水分を取ることで痰をゆるくし、切れが良くなることも。
その他、咳とともに熱がある時には大量に汗をかくので、水分補給は忘れないようにしましょう。
【白湯や麦茶を少しずつ飲ませる】
白湯や麦茶を、哺乳瓶やベビーマグを使って少量ずつ与えます。
生後3ヶ月から飲めるイオン飲料もあります。
しかし、飲ませすぎると糖分や電解質の摂りすぎになってしまい、逆に体調を崩すことがあるので、こまめな水分補給には白湯や麦茶が適しています。
赤ちゃんの咳が苦しい時は体を起こす
風邪をひいている時は体力もなくなっているので、布団で横になって過ごすことが多いですね。
しかし、水平に寝かせていると、痰が流れこんでせき込みの原因になることも。
赤ちゃんを休ませる時は、体を少し起こしてあげると楽になります。
【布団への寝かせ方】
座布団や布団、毛布などを敷布団の下に重ねて入れ、頭の方を少し高くして寝かせてあげると、咳が少し楽になることも。
傾斜が付くと寝返りをした時に下の方へ転がったり、無理な体勢になるようでしたら、傾斜を緩めるかいつも通りに寝かせてあげましょう。
【咳込みが激しい時】
眠っている時にも、激しいせき込みをして苦しそうにしていることもあるでしょう。
無理に布団に寝かしつけず、痰が切れるまで縦抱っこをして背中をさすったり、とんとんしてあげると、痰の切れが良くなります。
赤ちゃんも安心できるかと思いますよ。
症状の観察も大切なホームケア
紹介したようなホームケアをしても、咳がよくならない時には、受診(再受診)を考えておきましょう。
咳の症状は悪化すると、気管支炎や肺炎に進行してしまう恐れがあります。
また、赤ちゃんのうちは咳の症状が出るRSウイルスに感染すると重症化しやすく、入院して適切な処置が必要になる場合も。ホームケアをしながら、症状を観察することが大切です。
特に次のような症状の場合は、再受診も考えましょう。
・咳が長く続いている
・激しい咳が止まらないほど出る
・咳がひどく眠れない
・呼吸が苦しそう
・ケンケンとした変な咳が出る
・ゼーゼー、ヒューヒューなど呼吸音が違う
などといった場合、自己判断はせずに病院を再受診してみましょう。
まとめ
咳の症状はとても苦しいので、少しでも和らげてあげられるようなホームケアの方法を紹介しました。
しかし、ホームケアだけで赤ちゃんの風邪を治すというのは難しいですし、風邪が悪化してしまうと重篤な症状に繋がる危険性もあります。
自己判断はせず、心配な時には受診し、医師の指示を仰ぐことも大切です。
風邪が治るまではなるべく体を休め、寒くならないように気を付けながら、ゆったり過ごすことを心がけましょう。