薬の飲ませ方・使い方の基本
赤ちゃんに薬を与える時は、以下の点に注意しましょう。
・薬は医師に指示された服用回数や時間を守って与えましょう。
・薬を扱う前後は、手や器具を清潔にしてください。
・飲み忘れた場合は気づいた時、次の服用時間が近い場合は次の回の分を少し早めに与えても良いでしょう。ただ、判断に悩んだときは処方された薬局に確認しましょう。
・飲ませた薬を服用直後に全て吐いたことが分かる時は、再度飲ませましょう。
・薬を水や食べ物と混ぜる場合は、服用直前に混ぜてください。時間が経つと、味や成分が変化する場合があります。
不調でぐったりとしていたり、ぐずっている赤ちゃんに薬を与えるのは至難の技です。薬の種類別にスムーズな与え方をまとめていますので参考にしてください。
薬の飲ませ方【粉薬】
粉薬は1回分ずつ袋分けされた粉の薬です。シロップを粉末状にしたドライシロップなどもよく処方されます。湿気に弱いので、薬の名前がわかるよう外袋ごとジッパー付きの袋などに入れ、冷暗所で保管しましょう。
【液状にする与え方】
ドライシロップなど水で溶かすと甘くなる薬の場合は、液状にしてスポイトで頬の内側に少しずつ垂らします。スプーンであげても良いでしょう。
【ペースト状にする与え方】
小さな器に薬を入れ、スポイトやスプーンで2~3滴の水を加えて練ります。水が多いと量が増え、赤ちゃんが全部飲むのが大変です。溶けにくい時は、ぬるま湯でもよいですが、やけどに注意しましょう。
これを頬の内側や上あごに塗り、水などで流し込むか、母乳やミルクを与えます。この時、苦みで吐き出すことを防ぐため薬が舌にふれないように注意します。
【食べ物に混ぜる与え方】
ヨーグルトやアイス、お薬用ゼリーに混ぜる方法もあります。組み合わせによっては苦みが増す場合もあるので、薬剤師に相談しましょう。
また、薬をミルクに混ぜる際も事前に薬剤師に相談しましょう。薬によっては、混ぜてミルクの味が変わることで赤ちゃんがミルクを嫌いになってしまう場合があります。
薬の飲ませ方【シロップ薬】
液状のシロップ薬には独特の甘みがあり、その味を嫌がる子もいます。シロップ薬は容器のまま冷蔵庫で保管しましょう。薬が複数ある場合は、日にちや病名を記入しましょう。
【シロップ薬の与え方】
成分がボトルに沈殿していることがあるので、最初に軽く上下に振って均一にしましょう。与える量は、容器を水平な場所に置いて、目線の高さを目盛りに合わせて正確に計量します。
赤ちゃんに飲ませる際は、スポイトで口にゆっくりと流し込むと飲ませやすいでしょう。使ったスポイトは、洗剤は使わず水を何度か出し入れして洗い乾燥させます。
薬の使い方【座薬】
座薬は肛門に直接挿入する薬です。効き目が早く、解熱薬、吐き気止め、痙攣を抑えるなどの場合に処方されます。
上手く入らなかった場合、挿入後すぐにうんちをしてしまった場合は再度入れますが、一部溶けたり、10分以上経っている場合は病院や薬局に確認すると安心です。
溶けやすいので、冷蔵庫で保管が基本(一部常温保管の座薬もあります)です。
量が多い場合は切って使用することがありますが、この場合は清潔なハサミで袋ごと切りましょう。
【座薬の使い方】
使い捨ての手袋を用意して、おむつ替えの姿勢で赤ちゃんの足をあげ、座薬の尖った方から肛門に一気に入れます。滑りを良くするために、座薬の先端にワセリンや油をぬる方法もあります。
女の子の場合は、肛門の位置を間違えないように注意してください。挿入が浅いと出てきてしまうので、指の先が肛門に入るくらい確実に薬を挿入し、薬が出ないようにお尻をティッシュなどで10秒ほど押さえましょう。
2つ以上の薬を使用する場合は、30分程度時間をおいて使用しましょう。
薬の使い方【塗り薬】
肌のトラブルで処方されることの多い塗り薬は、症状が似ていても自己判断に使うと悪化することがあります。赤ちゃんの場合はその都度医師の診断を受けましょう。冷暗所での保管が基本ですが、冷蔵庫で保管した方がよい薬もあります。
処方の際に薬剤師に確認をしてください。
【塗り薬の使い方】
塗り薬は清潔な手で使いましょう。必要な量を確認し、大人の手の甲に薬を出して塗ります。チューブから直接塗るのは避けましょう。
何ヶ所かに分けて薬をつけてから、塗り広げます。赤ちゃんが触ったり舐めたりしそうな場合は、ガーゼなどで覆うとよいでしょう。