赤ちゃんに経口補水液を飲ませても良いの?
熱中症や脱水症状を起こしてしまった際に飲む経口補水液(けいこうほすいえき)。
体調を崩した時や夏場の暑い時期に飲んでいる方も多いのではないでしょうか。
ドラッグストアなどでも販売されているので、特に抵抗なく買われている方も多いかもしれません。
では、赤ちゃんの場合はどうでしょう。
赤ちゃんは、母乳やミルクなどで十分に水分補給ができていれば、特に経口補水液を飲ませなくても問題ありません。
ただし、体調不良で母乳も離乳食も受け付けないというときなどに飲ませてあげると、体内に吸収されやすいため、脱水症を防ぐ効果があります。
具体的にどのような場合に飲ませるのか、また、経口補水液とはどんなものなのかなどについて解説していきましょう。
経口補水液とは
経口補水液とは食塩とブドウ糖を混合した飲料で、水に電解質と糖質がバランス良く配合されています。
普通の水に比べると体への吸収速度が速いため、「飲む点滴」とも呼ばれています。
必要以上の糖分が入っていないため、甘さがありません。
【スポーツ飲料との違い】
同じような飲料で、スポーツ飲料(スポーツドリンク)やイオン飲料などがあります。
こちらも電解質を含む飲料で浸透圧が調整されているため、早く体内に吸収されます。
ただし糖分を多く含んでいるため、カロリー過剰になってしまう可能性があります。
基本的に、赤ちゃんにはスポーツ飲料が必要な時は無いと言っても良いでしょう。
【経口補水液のタイプ】
経口補水液にはこのようなタイプがあります。
・ペットボトルタイプ
・ゼリータイプ
・パウダータイプ
そのまま飲むのが難しい場合はゼリータイプで少量を一口スプーンに乗せて食べさせるという方法もあります。
パウダータイプなら、水に溶かすことで手軽に作ることができます。
体調不良の場合に備えて、常備しているご家庭も多いかもしれませんね。
経口補水液はどんな時に飲むの?
経口補水液は軽度から中程度の脱水症状の改善に有効とされる飲み物です。
具体的にどのような場合に飲んだら良いのでしょうか。
【赤ちゃんに必要な水分】
まず、赤ちゃんには普段からたくさんの水分が必要です。
体重に占める水分の割合は、大人が約60%に対し赤ちゃんは70〜80%です。
また、赤ちゃんの方が体重に対して水分が出ていく量が多く、大人の約2倍ほどと言われています。
必要な水分量としては新生児で1kgあたり60〜80ml、乳児で1kgあたり100〜120mlとされています。
【経口補水液が必要な時】
赤ちゃんにはたくさんの水分が必要ですが、普段は母乳やミルクなどで水分補給をできているので、経口補水液は必要ありません。
ただしこのような場合には、医師の指導のもと経口補水液を与えても良いでしょう。ましょう。
・下痢や嘔吐がある
・インフルエンザなどによる発熱がある時
・発汗による熱中症が疑われる時
・暑い日の外出で脱水が疑われる時
などがあります。
【受診する目安】
経口補水液を与えても、症状が改善されなかったり重症化してしまう可能性もあります。
このような症状がある場合は脱水症状が重症化しているため、受診するようにしましょう。
・1日6回以上の大量の下痢
・嘔吐が続いている
・泣いても涙が出ない
・おしっこの量が極端に少ない
・ぼんやりしている
・手足が冷たい
など、赤ちゃんの様子をよく観察し不安な場合はなるべく早く受診しましょう。
経口補水液の飲ませ方
赤ちゃんに経口補水液をどのように飲ませたら良いのでしょうか。
赤ちゃんの症状別にみていきましょう。
【下痢の症状がある場合】
下痢の症状の場合は初めは20〜30mlを与えてみましょう。
摂取目安量は、乳児の場合一日1kgあたり30~50ml です。電解質が多く含まれているので、飲むからといってたくさんあげすぎないようにしましょう。
母乳や離乳食を与えている場合は、母乳やミルクはそのまま続けましょう。
離乳食はおかゆやうどんなどにして、おかずは控えるようにしましょう。
下痢の症状が治ったら、普段通りの食事に戻した方が回復は早くなります。
【嘔吐している場合】
嘔吐がひどい時は与えず、治まって少し経ってから与えるようにしましょう。
目安としてはティースプーン1杯(5ml)程度を5分おきに飲ませます。
たくさん飲ませすぎるとまた吐いてしまう可能性もあるので、注意が必要です。
赤ちゃんの様子をよく観察しながら、嘔吐がなければ徐々に量を増やしても大丈夫です。
また、嘔吐がある際は食事は控えましょう。
吐くのが治り、水分もある程度摂取できるようになったら、食事を再開しても良いでしょう。
【赤ちゃんが嫌がる場合】
赤ちゃんが経口補水液を飲むのを嫌がる場合、無理して与える必要はありません。
経口補水液は甘さがないため、美味しいものではありません。
また、飲めないからといって他の飲み物と混ぜてしまうと、経口補水液としての効果が無くなってしまいます。
どうしても嫌がる場合は経口補水液以外で水分補給するようにしましょう。
まとめ
夏場の暑い日の脱水症状や、体調を崩した際の下痢や嘔吐などに効果的な経口補水液。
体調不良に備えて常備されている家庭も多いのではないでしょうか。
経口補水液は赤ちゃんの場合でも、軽度から中程度の症状であれば改善に有効とされています。
ただし、症状によっては早急に受診した方が良い場合もあるので注意が必要です。
飲ませ方が症状によって異なるため、注意しながら飲ませるようにしましょう。