熱や嘔吐下痢のある赤ちゃんの病気とは

赤ちゃんの嘔吐下痢や発熱は感染症かも

赤ちゃんの成長とともに、公園や児童館に出かけたり育児サークルなどに参加する機会が増えてきますね。

保育園に通い始める場合もあるかもしれません。

 

外出の機会が増えると、注意したいのが感染症です

 

赤ちゃんはお腹の中でママからもらった免疫で守られているので、生後6ヶ月くらいまでは感染症にかかることは少ないと言われています。

しかし、ちょうどママからもらった免疫の効果が消えていく頃に外出や集団生活の機会が増えるため、下痢や発熱を伴った感染症に罹患する機会も増えしまうのです。

 

特に、毎年秋から春先にかけて心配な感染症が「乳幼児嘔吐下痢症」といわれる病気です。

 

今回は、乳幼児嘔吐下痢症にはどのような症状があるのか?

おうちでの対策は?

受診の目安は?

などをまとめました。

 

発熱もある?赤ちゃんの嘔吐下痢症とは

嘔吐下痢症というのは、ひとつの病気の名前ではなく「ウイルスや細菌が原因で、下痢や嘔吐、発熱などを伴う胃腸炎」の総称です。

 

赤ちゃんが罹患するのはウイルス性の場合が多く、中でもロタウイルスノロウイルスによる感染流行はニュースで取り上げられることも多いので、聞いたことがあるママも多いのではないでしょうか。

 

嘔吐下痢症は「お腹の風邪」などと呼ばれることもありますが、その症状はさまざま。

お腹の具合が悪いだけではなく、発熱やけいれんなど心配な症状が出る場合もあるのです。

 

嘔吐下痢症の症状とは

嘔吐下痢症の気になる症状や感染経路などをみてみましょう。

 

【主な症状】

その名の通り、嘔吐と下痢が主な症状です。

急に嘔吐が始まり、続いて下痢症状が現れることが多いようです。

 

〈嘔吐〉

半日くらいの短時間の間に何回も嘔吐を繰り返す

もしくは

1日1~2回くらいの嘔吐が2,3日続く

というケースが多いようです。

 

3日目くらいになれば嘔吐症状は落ち着いてきます。

 

〈下痢〉

水のような下痢症状があります。

便の色はクリーム色、灰色、白っぽい緑色などで、明らかに通常の便の色とは異なります。

 

嘔吐が治まっても下痢は1−2週間くらい続きます。

 

〈発熱〉

ノロ感染の場合は発熱は少なく、微熱程度のことが多いようです。

ロタ感染の場合は、初期に38℃くらいの高熱が出ることもあります。熱の高さに関わらずけいれんを引き起こすこともあるので特に注意が必要です。

 

【感染経路】

ノロやロタの感染者の吐しゃ物にはこれらのウイルスが多く存在します。

吐しゃ物を処理する際、手などにウイルスが付着し、その手で触れたものを介して感染することが多いのです。

 

また、吐しゃ物が乾燥すると、ウイルスが空気中に舞い上がってしまい、それを吸い込んでしまうと感染する恐れがあります。

大変感染力の強いウイルスなので、集団発生してしまうことも多いのです。

 

ノロウイルスは汚染された水や食品から感染することもあります。

有名なのは牡蠣などの二枚貝ですが、赤ちゃんが牡蠣を食べることはないので、大人からの感染の可能性が高いですね。

 

嘔吐下痢症の対策

実は、嘔吐下痢症の特別な治療法や治療薬はありません。

嘔吐や下痢による脱水を防ぐためのこまめな水分補給、安静などの対症療法を行うことになります。

 

【おうちでの対策】

嘔吐や下痢があると脱水状態にならないようにとすぐに水分を飲ませたくなりますが、これはNGです

 

吐いたあとにすぐ水分を与えると、たいていの場合またすぐに吐いてしまいます。

この時、飲ませた水分以上の量を吐くことが多く、さらに胃液も失われてしまうので、水分補給させたつもりが逆に水分を失わせてしまうことになるのです。

 

①吐いたのち、30分から1時間くらい何も飲ませず胃腸を休める

②嘔吐が落ち着いたら、スプーン1~2杯の水分を10分間隔くらいで与える

③水分を取っても嘔吐しなくなれば、母乳やミルクをあげてもよい

 

摂取する水分は、水でも良いのですが水分や塩分もとれる経口補水液がおすすめです。

だし汁、味噌汁の上澄みなどでも良いでしょう。

 

【こんな場合は受診を】

嘔吐下痢症の場合、基本的にはおうちで様子見でよいのですが、次のような症状がある場合は早めに小児科を受診しましょう

 

・3日以上吐き続ける

・皮膚が冷たく元気がなくて顔色が悪い

・おしっこや涙が出ない

・少量の水分でも吐く

・けいれんが起きる

・38℃以上の熱が続く

 

特に4ヶ月未満の赤ちゃんで高熱を伴う場合は重症化しやすく、入院が必要になる場合もあります。

 

嘔吐下痢症と間違えやすい病気

次のような病気の場合も嘔吐、下痢、発熱の症状が出ることがあります。

症状をよく観察し、状況に応じて受診をおすすめします。

 

〈インフルエンザ〉

・発熱のほかに咳や鼻水など

・嘔吐下痢症と流行時期が重なるため、間違えやすい

 

〈咽頭結膜熱〉

・のどの腫れ、目の充血など

・「プール熱」とも呼ばれ、夏だけではなく冬に流行することもある

 

〈食物アレルギー〉

・食後に嘔吐や下痢

・発疹や蕁麻疹などの皮膚症状がある

・発熱あることはない

 

まとめ

嘔吐下痢症の場合は、お世話するママにも感染する可能性があります。

家族間での感染が起こらないように、次の3つのポイントを守りましょう。

・素早い処理(乾燥させない)

・きちんと消毒

・しっかり手洗い

特に、手洗いや消毒は他の感染症予防にも役立ちます。習慣にしたいですね。

この記事を書いたライター

北村 美涼
北村 美涼

関西在住、1男1女を持つワーキングママです。 産休、育休、フレックス、時短、在宅、テレワーク、といろいろな勤務体系経験済み! ハワイとたこ焼きと太陽の塔が大好き!どれも私のパワーのみなもとです。

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