赤ちゃんの夜泣きの原因は鉄不足?
赤ちゃんの夜泣きが続くと、夜中になかなか眠れず、つらいですよね。
夜泣きの原因はいくつも考えられ、これと突き止めるのは難しいと言われています。
原因のほとんどは生理的なものとされていますが、一つに赤ちゃんの鉄不足が挙げられます。
なぜ赤ちゃんが鉄不足だと、夜泣きをしてしまうのでしょうか。
今回は赤ちゃんの夜泣きと鉄不足の関係について解説していきます。
赤ちゃんの夜泣きと鉄不足の関係
【鉄不足だとどうなる?】
鉄不足とは体の中の鉄、つまり血液中のヘモグロビンの鉄が不足している状態です。
鉄不足になってもちゃんと離乳食で鉄を摂取できていれば、不足した状態を防ぐことはできます。
ただし、鉄不足の状態が続くと本格的に貧血になり、鉄欠乏症貧血になってしまいます。
体内で鉄分が不足してしまうと、身体中が酸欠になるため、頭痛の症状が出たり疲れやすくなったり、精神的なバランスを崩しグズリやすくなることもあります。
また鉄欠乏症貧血は、言語機能、視覚認知、空間記憶など学習機能、運動機能に影響を及ぼすと言われており、それは大人であっても赤ちゃんや子どもであっても同じことが言えます。
【夜泣きとの関係】
鉄不足によって鉄欠乏症貧血になると、身体中が酸欠になり様々な症状が出ます。
赤ちゃんにみられる鉄欠乏症貧血の症状としては、癇癪を起こしやすくなったり、ぐずりやすくなったりすることです。
これは、心のバランスを司るドーパミンのコントロールができなくなることから起こると考えられています。
加えて赤ちゃんの場合は、まだ上手に寝るのが難しいため、鉄不足によってさらに睡眠をコントロールするのが困難になり、結果として夜泣きや寝ぐずりが起こりやすくなることもあるようです。
赤ちゃんが鉄不足になる原因
夜泣きの原因の一つとして考えられる鉄不足ですが、なぜ鉄不足になってしまうのでしょうか。
その原因についてみていきましょう。
【鉄の摂取量の不足】
赤ちゃんはお腹の中にいたときに十分な鉄を蓄えていますが、生後半年を過ぎるとその蓄えがなくなってしまいます。
もともと低体重で生まれてきた赤ちゃんは蓄えが少なく、すぐ鉄不足になってしまうのです。
蓄えがなくなると今度は食事から摂取する必要がありますよね。
生後半年というとちょうど離乳食が始まる頃ですが、その時期に離乳食から十分な鉄を摂取できていないと鉄不足になってしまいます。
また、母乳に含まれる鉄は少ないため、離乳食が進まず母乳をメインで栄養を摂取していると、鉄不足になりやすいと言われています。
【体の成長】
乳児期の赤ちゃんは、成長が著しい時期です。そのため、骨や筋肉など、身体をつくるための栄養素として「鉄分」が必要になるのです。
生後半年には、もともと持っていたい鉄の蓄えがなくなってしまうので、注意しないと鉄不足の状態に陥りやすくなります。
赤ちゃんの鉄不足の予防と対処法
夜泣きの原因の一つとして鉄不足を挙げましたが、鉄不足を予防したり、鉄不足になった場合はどのような対処したら良いのでしょうか。
【鉄を含む食材を摂取する】
生後6ヶ月から1歳までの赤ちゃんには、1日5mgの鉄が必要と言われています。
また、鉄を含む食材にはヘム鉄(動物性の食べ物)と非ヘム鉄(植物性の食べ物)があります。
非ヘム鉄の食材はビタミンCと一緒に摂取すると効率的に体に吸収できるため、離乳食を作る際に意識するようにしましょう。
吸収率の高いヘム鉄にはレバーや肉、魚などの食材があります。
これらの食材を積極的に離乳食に使い、食べさせるようにしましょう。
【フォローアップミルクを活用する】
母乳には鉄含有量が少ないため、離乳食で十分な鉄の量を摂取できていないと鉄不足になってしまいます。
離乳食の進み具合によっては、食べられるものが少ない場合も考えられます。
その場合は母乳での栄養摂取をメインにせず、フォローアップミルクを活用するのも良いでしょう。
フォローアップミルクは、メーカーによって多少の差はありますが、牛乳の約50倍の鉄が強化された鉄補給目的の食品です。
母乳からすぐ牛乳だけに移行するのではなく、離乳食を作る時はフォローアップミルクを活用すると鉄不足を予防できるでしょう。
【心配な場合は受診を】
鉄不足による貧血は最終段階で、その状態になるまでに普段の食事に注意して予防しましょう。
鉄不足や鉄欠乏症貧血を診断するための検査は基本的には行われていない場合が多いですが、夜泣きがあまりにも続き、離乳食がちゃんと進んでいない場合は一度病院を受診するのも良いでしょう。
血液検査で数値が低い場合は、鉄剤の服用をすることもあるようです。
ただし鉄剤は吸収率が良くないのと、嘔吐や便秘などの副作用があることがあるため、できるだけ食事から鉄を摂取したいところですね。
まとめ
赤ちゃんの夜泣きには不快感などの生理的な原因もあれば、今回ご紹介した鉄不足も考えられます。
大人になって貧血を意識する方も多いかもしれませんが、実は乳幼児期の方が鉄不足による貧血を起こしやすいことが分かっています。
赤ちゃんの夜泣きが続いている際は、日ごろから十分な量の鉄分を摂取できているかどうか、離乳食のメニューなど見直してみてくださいね。