今と昔では育児に違いがある
妊娠中の両親学級や産後の育児指導、育児本などに載っている育児法と、実際に赤ちゃんのおじいちゃんおばあちゃん(パパやママのお父さんお母さん)の言っていることが違う、と感じたことはありませんか。
おじいちゃんおばあちゃんが赤ちゃんだったパパやママを育てていたのは、20~40年前のこと。
その頃と今では、変わった育児法はたくさんあるんです。
育児グッズもどんどん便利になっていますし、医学が進んだり、子育て世帯を取り巻く環境が変わり、考え方も変わってきています。
今回はそんな今と昔の育児の違いについて、理由をを交えながら紹介します。
ここが違う!今と昔の育児
パパやママが赤ちゃんだったころの昔の育児と、今の育児ではどのような点が変わっているのでしょうか。
【生後間もない産湯】
昔は生まれたらすぐに「産湯」といって、赤ちゃんを沐浴させ、洗ってあげるのが普通でした。
今は赤ちゃんの体温が低下するのを防止するためや、皮膚のバリア機能を保つために、沐浴はせず拭くのみで対応する産院が多いです。
出産に立ち会ってもらった際、なぜ赤ちゃんをすぐに洗ってあげないの?と思うおばあちゃんもいるかもしれませんが、現在では沐浴は生後5日頃から沐浴するのが一般的になっています。
【授乳】
昔は母乳よりもミルクで育てることが推奨されてきました。
また、母乳をあげる場合も3時間を目安に授乳間隔を開けるように言われていました。
今は母乳の栄養や免疫機能など、赤ちゃんへのメリットが大きいと見直され、可能であれば母乳育児を推進している産院が多いです。
授乳間隔も母乳の場合は欲しがるだけあげるように、と言われています。
とはいえ、ミルク育児や混合育児が時代に沿っていないというわけではありません。
ミルクにはミルクの良さがあるので、ママの事情や都合に合わせて、授乳方法を選ぶといいでしょう。
【抱っこ】
「抱き癖」という言葉を聞いたことがある方もいるのではないでしょうか。
昔はこの抱き癖がつくから、赤ちゃんが泣いても頻繁に抱っこしないようにする、というのが育児の主流でした。
しかし、今はスキンシップが赤ちゃんの心の安定や自己肯定感の向上、また信頼感アップにつながると言われ、たくさん抱っこしてあげる方がいいと言われています。
抱き癖は気にしなくてもいいんです。
【白湯・果汁】
お風呂上りや散歩から帰ってきたら白湯を、また生後3、4ヶ月頃になったら離乳食の準備として果汁をあげるように昔は言われていたことがあります。
今ではお風呂上りや散歩の後は白湯ではなく、母乳での水分補給するのがベストと言われています。
ミルク育児の方はお風呂上りや散歩後がちょうど授乳タイムになるよう、リズムを整えてあげるといいでしょう。
離乳食が始まったら、麦茶等で水分補給をするといいかもしれません。
果汁については、授乳量に影響するため、離乳食前には与えなくていいと今は言われています。
【スキンケア】
昔はおむつ交換やお風呂後、ベビーパウダーをつける方が多かったですが、今ではパウダーが毛穴をふさぎ、かぶれや湿疹の原因になることもあると言われるようになりました。
おむつが汚れたら小まめに替えてあげることが、スキンケアにつながります。
また、お風呂上りには赤ちゃん用のオイルやローション、クリームなどでケアしてあげるのが一般的です。
【卒乳】
1歳までに断乳するように、昔は母子手帳に記載があったほどですが、現在では無理に断乳する必要はないと言われています。
母乳のメリットはたくさんあるので、離乳食が順調に進んでも、赤ちゃんが自然に離れていくまで、授乳して問題ありません。
【トイレトレーニング】
今はトイレトレーニングというと、おしっこの間隔が開き、コミュニケーションをとれるようになってから始めることが多いですが、昔は1歳過ぎから始めるなど、早めのスタートでした。
どちらかというと「おむつを外す」ことが目的だった昔に対し、今は子どもが1人でトイレに行き用を足す「排泄の自立」が目的に代わってきているため、スタートするタイミングが遅くなっているのかもしれません。
また、トイトレ完了までは個人差が大きいものなので、焦らなくても大丈夫ですよ。
まとめ
今回ご紹介した以外でも、今と昔の育児では違うところがたくさんあるでしょう。
たった数十年の違いではありますが、おじいちゃんおばあちゃんが育児をしていた時代では常識だったことが、今では推奨されていないこともあります。
しかし、変わらないのは赤ちゃんへの愛。
もし、「昔のやり方と違う」と意見されても、それは孫がかわいく、我が子であるパパやママの力になりたいと、良かれと思ってアドバイスをくれていることが多いはずです。
その気持ちはしっかり受け止め、感謝の気持ちを伝えるといいかもしれないですね。
その上で、今は今の育児方法が推奨されていること、変わったのには理由があることを説明し、理解してもらうようにしたいです。