双子は増えている?双子育児は大変?
2018年の政府の人口動態統計(※)によると、双子は9,620人生まれ、これは全体の1.036%に当たります。
実は、双子などの”多胎児”の出生数自体はほぼ横ばいで、年々増加しているわけではありません。ですが、全体の出生数が減っている中で多胎児の出生数は変わらないため、全体に占める割合が多くなっているのです。
近年、虐待事件などもあり、多胎児育児の過酷さが注目を集めています。かわいさ2倍と言われる双子の赤ちゃんも、お世話をするのは想像以上に大変です。
双子育児にサポートは欠かせない!
双子の育児では主に、家事・育児の人手不足や金銭面、子どもを預ける場所や外出で困っていると言われています。例えば、次のような場面で困ることが多いです。
・ちょっとした外出も1人だと困難
・ママ自身の睡眠不足や体調不良
・自分の時間が取れない
・双子育児の大変さを周囲が理解してくれない
・日中保育園に通わせたいが専業主婦だから入れなかった
・一時保育に双子を同時に預けることができない
保育の入園基準になる「必要性認定」の中に、双子や多胎児の育児環境が含まれていないため、専業主婦だと受け入れてもらえないケースが多々あります。
このような環境では、ママが自分の時間どころか、ちょっと一息つく時間を持つことも難しくなりますね。
また、双子は低出生体重児の割合が高くなるため、ママへの負担も重くなりがち。例えば、低出生体重児の場合はウイルスなどの感染に弱く、双子はかわりばんこに病気になることも多いので、さらにお世話が大変になることもあります。
双子を妊娠中のママは経過観察のために管理入院することも多く、入院中にママの体力が低下することもあります。そんな状態で産後赤ちゃんを2人お世話するのは、体力的にも精神的にも辛いものです。
双子育児をするには、ママ1人で奮闘するのではなく、必要なサポートを上手に得ることが欠かせません。
サポート①パパや家族の援助
双子育児で最も大切なのは、身近な人からのサポートであり、パパの育児参加です。双子を妊娠したとわかった時から、双子を育児していく生活の準備をするために、両親教室などにパパと参加し、授乳・沐浴・寝かしつけ・夜泣き対応などを、パパも一緒にできるようになってもらいましょう。
なるべくワンオペ育児にならないよう、双子育児の大変さをパパにもしっかり理解してもらうことが大切です。
ママがつらい、大変だと感じた時は、まず家族や身近な人に相談し、助けを求めるなど、コミュニケーションを取ることを心がけてみてください。
サポート②行政支援
全国的には、双子育児家庭のサポートに特化した行政の支援は、まだ少ないのが現状。残念ながら単胎児と変わらないサポートしかないところも多いですが、中には先進的に双子や多胎家庭を支援している自治体もあります。
例えば、家事・育児・外出サポートの時間や無料枠の増加、タクシー料金の補助をしている自治体があります。他にも、助産師や研修を受けた地域ボランティア、多胎児育児経験のある先輩ママの訪問や相談を無料でしているところもあります。
厚生労働省でも、2020年から予算を組み、双子などの多胎児家庭への支援を拡充するようになっています。双子や多胎児育児の過酷さや悲惨な虐待事件、産後うつのリスクの高さが知られるにつれ、各自治体でも補助の拡充が始まっています。
双子を妊娠したとわかった時は、妊娠中からお住まいの地域の自治体が行っている補助や救済などのサポートについて、どんなものがあるかしっかり下調べしておきましょう。いざ、産後に困った時には、保健師の訪問の際に訪ねたり、お住まいの自治体の子育て支援担当課へ電話をしてみましょう。
サポート③多胎児ママサークル
双子を妊娠したら、お住まいの地域に多胎児ママサークルがないか探してみましょう。NPO法人や病院などの民間団体が連携して支援したりしている多胎児ママサークルから、サポートを受けるのもおすすめです。
主な支援には、ホームヘルパーの派遣、保健師や研修を受けた地域ボランティアによるヘルプや相談のサポート、孤立の予防や仲間づくりの支援などがあるようです。
多胎児ママサークルでは、医療・行政関係や先輩ママたちが支援するファミリー教室などを開催し、双子の妊娠・出産・育児にまで役立つ具体的な情報やノウハウを提供してくれたり、悩みなどの話しに耳を傾けてくれたりしてくれます。双子の育児を喜び楽しめるように、イベントを開催したりもしていますよ。
双子は、早産(約5割)や低体重(約7割)で生まれる赤ちゃんも多いため、同じ思いを抱えたママたちと交流を持ち、双子の妊娠・出産・育児のための知識や情報があれば、不安を解消して一人で悩み続けることが少なくなるでしょう。
また、双子育児の先輩ママになった時は、今度はサポーターとして手助けすることもできるでしょう。
遠慮せずに協力を頼んでみよう!
行政や周囲に遠慮して協力を求めづらいと感じているママもいるかもしれませんが、まずは協力して欲しいと意思表示することも大切です。何か手助けしたいと思っても、どうすればよいかわからない人が周りにいるかもしれません。赤ちゃんたちのためにも遠慮せずに協力してもらい、1人で頑張りすぎないようにしてみてくださいね。
*この記事の数値データはすべてe-Stat「政府統計の総合窓口」より