赤ちゃんの吐き戻し汚れの洗濯は大変!
大人だけの生活に赤ちゃんが加わって、一番回数が増える家事が「洗濯」ではないでしょうか。
赤ちゃんとの生活では、どうしても洗濯物が増えてしまいますよね。
その中でも特に、ミルクの吐き戻しなどによる赤ちゃん特有の汚れに頭を悩ませているママもいるかもしれません。
今回は、ママを悩ませる赤ちゃんのミルクの吐き戻し汚れの洗濯方法や汚れを防止するひと工夫についてもご紹介します。
赤ちゃんの吐き戻し汚れの正体は?
ちゃんと洗濯したのに、赤ちゃんの衣類の胸元が黄ばんでいる…お気に入りの洋服だと特にショックですね。においが気になることもあるかもしれません。
赤ちゃんの衣類の胸元の黄ばみは「吐き戻し」によるものです。
どうして黄ばんでしまうのでしょうか?それはミルクや母乳の成分に原因があります。
ミルク(乳児用調整乳)や母乳には、三大栄養素である「たんぱく質」「炭水化物」「脂質」が多く含まれています。
このうち、たんぱく質汚れは時間が経つと固まる性質があり、洗濯しても落ちにくくなります。
また、脂質は黄色く変色する性質を持っています。
赤ちゃんの衣類の襟元やガーゼに付いた黄ばみ汚れの正体は、衣類の繊維の中に入り込んで固まってしまったたんぱく質と、黄色く変色した脂質の汚れなのです。
吐き戻し汚れに効果的な洗濯方法とは
赤ちゃんの吐き戻し汚れの正体が分かったところで、上手に汚れを落とす方法はないのでしょうか。
まず思いつくのが衣類の漂白ではないでしょうか。
確かに、最近の漂白剤は赤ちゃんの衣類にも使える商品もあり、使い勝手が良くなっていますね。
でも、赤ちゃんの吐き戻し汚れに関しては漂白の前にやらなければならないことがあります。
【たんぱく質を分解】
まずは繊維の中で固まってしまったたんぱく質を分解することから始めます。
たんぱく質が分解されないままだと、脂質の汚れも落ちないのです。
たんぱく質の分子構造はアルカリ剤によって緩んだり分解されたりすることが分かっています。
まずは洗濯機に入れる前にアルカリ性の粉末洗剤、固形せっけん、重曹などで下洗いしましょう。
【酵素でつけ置き】
新たに付いた汚れだけなら、アルカリ性洗剤で下洗いをした後に洗濯すればかなりきれいになります。
しかし、すでに黄ばんでしまった衣類の場合、アルカリ性洗剤の下洗いだけでは不十分な場合があります。
そんなときは酵素洗剤でつけ置きしてみましょう。
酵素はアルカリ性洗剤と同じく、たんぱく質を分解する働きがあります。
① 酵素入りの洗剤を40℃くらいのぬるま湯に溶かす
② 黄ばんだ衣類を1時間ほどつけ置く
たんぱく質は熱を加えると固まってしまいます。つけ置き洗いするお湯の温度は必ずぬるま湯にしましょう。
つけ置きする間に冷めてしまうからと言ってお湯を使うと固まって汚れが余計に落ちにくくなるので気を付けましょう。
【漂白して洗濯】
酵素でつけ置きしてたんぱく質が分解できたら、ここでやっと漂白剤の出番です。
赤ちゃんの衣類の黄ばみには、液体の酸素系漂白剤が便利です。
黄ばみの部分に直接塗布し、軽くこすり合わせてそのあとは普通にお洗濯します。
これらの方法は、大人の衣類の汗や垢、血液汚れにも応用できます。
大人の白いTシャツも、気付けば襟周りや脇部分が黄ばんでしまうことがありますよね。
まずたんぱく質を分解してから漂白する、ということを覚えておきましょう。
こんな方法も吐き戻し汚れに効果的
他にもこんな方法がありますよ。
【セスキ炭酸ソーダでつけ置き洗い】
自然に優しい洗剤として注目度が高まっているセスキ炭酸ソーダ。アルカリ性なのでたんぱく質や脂質を分解してくれます。
泡立ちが良いので下洗い時に使うのも良いですが、つけ置き洗いが手軽でおすすめです。
① セスキ炭酸ソーダをぬるま湯1リットルに対して小さじ1〜2杯入れて溶かす
② 黄ばんだ衣類を1時間ほどつけ置く
③ そのまま洗濯する
重曹より洗浄力が強いのですが、界面活性剤を使っていないのでママの手肌にも環境にもやさしい洗剤です。
【鍋で煮洗い】
鍋で赤ちゃんの衣類を煮洗いする方法もあります。
① ステンレスの鍋にたっぷりのお湯を沸かす
② 粉せっけんを入れてかき混ぜて溶かす
③ 酸素系漂白剤を入れる
④ 黄ばんだ衣類をお湯に入れ、弱火で煮る
⑤ 5分ほど煮たら鍋から取り出す
⑥ そのまま洗濯機で洗濯する
⑦ 脱水後、天日干しする
<注意ポイント>
・粉せっけんは吹きこぼれやすいので鍋の前から離れないようにしましょう
・肌着など薄い生地の衣類は長時間似てしまうと傷んだり型崩れの可能性があります
・トングか清潔な菜箸で衣類を扱いますが、ヤケドには注意してくださいね
まとめ
吐き戻し汚れは授乳期のみのこと、とは分かっていても、育児に忙しい毎日の中で手のかかる洗濯方法はなるべく避けたいですね。
授乳中から授乳後しばらくの間、プラスチック製の食事用スタイを付けておくという手もあります。
もし吐き戻ししても、スタイのポケットがミルクを受けてくれますし、衣類も汚しにくくなりますよ。