母乳の出が悪くなったとき
母乳は赤ちゃんにとって大切な栄養源。
その母乳が突然出にくくなると、とても心配になりますよね。
そこで今回は、母乳の出が悪くなる原因と対処法について解説いたします。
母乳の出が悪くなっている原因
母乳の出が悪くなる原因は一つに断定することは難しく、複数の原因が重なり合って起こっている場合が多いと考えられます。
母乳の出が悪くなる原因として、いくつかの考えられる原因をみていきましょう。
【赤ちゃんがちゃんと咥えられていない】
授乳姿勢や赤ちゃんの咥え方によって、ちゃんと飲めていない可能性があります。
ちゃんと飲めていない状態が続くと、母乳の排出量が減少してしまうため母乳の生産量そのものが減ってしまいます。
授乳中に乳頭痛があったり、授乳回数のわりに赤ちゃんの体重が増えていなかったりする場合は、ちゃんと咥えられていない可能性が高いでしょう。
【授乳間隔があいている】
授乳間隔が必要以上にあくと、母乳を作る細胞が減り生産量が減ってしまいます。
外出などが続きミルクメインの日が増えたり、ママの体調不良でしばらく授乳が難しかったり、何かしらの理由で授乳間隔があく日が続くと、母乳メインで再開しようとした時にあまり出なくなる可能性があります。
【ミルクの量が多い】
ミルクと混合の場合は、不足している分だけミルクを補うのが基本です。
必要以上にミルクを与えてしまうと、母乳の排出量が減り分泌量が抑制されてしまいます。
また、赤ちゃんが人工乳首に慣れてしまうと、おっぱいから母乳を飲むのを嫌がることもあるようです。
【水分不足】
ママの水分摂取量が母乳に影響を与えている可能性も考えられます。
母乳のほとんどは水分なので、個人差はありますがどうしてもママは水分不足になりがちと言えるでしょう。
【ストレス】
稀に、ストレスから母乳不足になる場合もあるようです。
体の中で母乳を作るには、プロラクチンとオキシトシンというホルモンが必要です。
ストレスを強く感じているとオキシトシンの分泌量が減少するため、母乳の出も悪くなってしまうのです。
【栄養不足】
ママが必要な栄養分が取れていないと、母乳の出が悪くなることもあります。
母乳にはたくさんの血液が必要になるので、鉄分や葉酸、カルシウムが不足していると母乳の生産量が落ちてしまうことも。
【ママの体が冷えている】
「冷えは大敵」とよく言われますが、母乳でも同様に、血行不良や冷えが原因で出が悪くなることもあります。
【卒乳が近づいている】
卒乳の時期が近づき授乳回数が減ってくると、自然に母乳の生産量も減っていきます。
赤ちゃんが離乳食をしっかり食べられているようであれば、卒乳の時期が原因かもしれません。
母乳の出が悪くなったときの対処法
母乳の出が悪くなったときの対処法について、今度はみていきましょう。
【正しい授乳姿勢と吸着を心がける】
正しい姿勢と赤ちゃんの吸着ができていないと、母乳がちゃんと排出されなくなってしまいます。
毎回きちんと飲めていなくて飲み残しが増えてしまうと分泌がストップしてしまうので、十分な量が作られにくくなります。
それを防ぐには、授乳の際の姿勢と吸着が大切です。
赤ちゃんがママにぴったりくっつくように抱っこし、おっぱいを深く咥えさせるようにしましょう。
赤ちゃんの成長に伴い体重が増え今まで通りの抱っこだと難しい場合は、授乳枕を使うなど工夫してみましょう。
【授乳時間や回数を制限しない】
赤ちゃんが成長すると授乳回数が減る、という認識の方は多いかもしれません。
しかし、それにとらわれすぎていると赤ちゃんのペースに合わず、間隔があき過ぎて母乳の生産を抑えてしまう可能性があります。
授乳回数はあくまで目安にして、赤ちゃんが欲しがるだけあげるよう心がけましょう。
【ミルクの摂取量に注意する】
ミルクと混合の場合、必要以上に与えてしまうと母乳の排出量が減ってしまいます。
一旦ミルクをやめて完全母乳にするなど、ミルクでの摂取量を減らすようにして様子をみてみましょう。
【栄養を摂りしっかり休息も】
赤ちゃんに母乳を与えるためには、ママが健康な状態でいることが欠かせません。
ママの摂取したものが直接母乳へ移行するわけではありませんが、体調が優れないと母乳の生産量が減ったり授乳回数にも影響したりする場合もあるでしょう。
普段から栄養を摂り、しっかり休息することを心がけましょう。
【産婦人科や母乳外来を受診する】
対処法を試しても改善しない、思い当たる原因がない場合など、もしかしたら他の問題もあるかもしれません。
不安な方は産婦人科や母乳外来を受診するようにしましょう。
まとめ
今まで順調に授乳できていたのになぜか母乳の出が悪くなってきた、という方は少なくないようです。
母乳の出が悪くなった原因は様々なので、どれか一つに限定するのは難しいかもしれません。
いくつかの原因が重なっている場合が多いので、対処法を試してもすぐに改善されないことも。
思い当たる原因がない場合や、なかなか改善されないとママにとってもストレスになりますよね。
そのような場合は、産婦人科や母乳外来を受診するのを検討してみても良いでしょう。