母乳は冷凍保存できるの?
赤ちゃんを保育園に預ける、パパやおばあちゃんに預ける、入院が必要になった…など、赤ちゃんとママが離れる時間が長いときは、冷凍保存した母乳を飲ませることができます。
せっかく母乳が出ているのに、ママ以外の人に預けることになったからと言って、わざわざミルクを飲ませるのはもったいないですよね。
しかし、母乳は赤ちゃんが飲むものですから、冷凍保存して衛生的に問題ないのか、保存や解凍の仕方など気になりますよね。
そこで今回は、ママと赤ちゃんが離れていても安心して母乳育児をするための、母乳の冷凍保存をテーマにまとめてみました。
注意点なども含め、正しい方法で冷凍保存した母乳を与えてください。
冷凍した母乳の保存期間はいつまで?
清潔な環境の場合、搾乳したばかりの母乳の保存期間は、室温(16~25℃)で4時間程と言われています。
これを冷凍保存した場合の保存期間はどれくらいなのでしょうか?
およそ-18℃以下の場所に保管した場合は、3ヶ月が目安となります。
しかし、たとえ冷凍したからといっても時間が経てばどんどん成分が変化してしまいますので、2週間から1ヶ月をめどに使い切る方が安心です。
母乳を冷凍保存する方法は?
次に、母乳の冷凍方法を紹介します。
【①搾乳する】
手で絞るもしくは搾乳器を使います。基本は慣れている方で構いません。
外出先では手で絞る方が手軽ですが、その際は手洗いをしっかりと行い、清潔な状態で行いましょう。
【②容器に移す】
搾乳した母乳は清潔な冷凍保存容器に移し替えます。母乳冷凍専用の使い捨てタイプのものが使いやすいでしょう。
母乳は冷凍すると膨張するので、容器の3/4くらいを目安に入れます。
また、少量(60mlほど)ずつ分けて冷凍すると解凍しやすくなります。
【③日付を記入】
搾乳日付を容器に記入しておきます。
【④冷凍庫で保存】
冷凍庫の開け閉めによる温度差の影響を受けにくいよう、庫内の奥の方に置きましょう。
冷凍した母乳を解凍する方法
冷凍した母乳を上手に解凍する方法を紹介します。
それぞれのメリットデメリットを把握し、やりやすい方法で解凍してください。
ただし、解凍した母乳は、2時間以内に飲ませるようにしましょう。
【冷蔵庫で解凍】
冷凍庫から冷蔵庫へ移し替え、約12時間ほどで解凍できます。
解凍後、ぬるま湯にひたしてママの体温程度の37℃くらいまで温めましょう。
《メリット》
・庫内を清潔に保っていれば、解凍時の細菌感染のリスクが少ない
・他の解凍方法よりも母乳の中の抗体維持率が高い
《デメリット》
・早く飲ませたいときに不便
【温水で解凍】
時間がない場合は、冷凍容器を温かい流水にさらします。流水の温度は40℃くらいが良いでしょう。
ぬるま湯(30~40℃くらい)につけて解凍する場合は、20分以内が目安です。
《メリット》
・短時間で飲ませることができる
《デメリット》
・冷蔵庫内解凍と比べると、細菌汚染のリスクがある
・流水の水道代がかかる
【室温での解凍】
冷蔵庫やぬるま湯が使えない環境の場合は室温(25℃程度)で自然解凍します。
《メリット》
・放置するだけなので簡単に解凍できる
《デメリット》
・室温が上がりすぎると母乳の質が劣化する恐れがある
・時間がかかる
・解凍時に母乳が分離していることがある
自然解凍した場合、母乳の中の脂肪分と水分が分離してしまうこともあります。
特に問題ありませんので、優しく左右に振って哺乳瓶に移し、普段通り飲ませてあげれば大丈夫です。
乱暴に振ると脂肪分が壊れてしまいますので注意しましょう。
冷凍保存した母乳を使う際の注意点
母乳を冷凍、解凍する際、以下のような点には気を付けてください。
【清潔な容器を使う】
容器の耐冷温度を確認し、冷凍庫で使用可能なものを使用しましょう。
また、容器に細かい傷が付いているとそこから細菌が付着することがありますので注意しましょう。
【温度の違う母乳を混ぜない】
搾乳したばかりの母乳を冷蔵保存の母乳と混ぜて冷凍したり、冷凍母乳と混ぜて解凍するのはやめましょう。
【電子レンジや熱湯は使わない】
早く解凍したいからと、電子レンジや熱湯湯せんはしてはいけません。
高温になりすぎてせっかくの母乳の栄養や免疫物質が損なわれてしまいます。
また、熱しムラができて赤ちゃんがやけどする恐れがあります。
【解凍母乳とミルクは混ぜない】
解凍した母乳の量が少なかった場合など、ミルクを足すことがありますが、その際は必ず別々の哺乳瓶で与えるようにします。
同じ哺乳瓶に混ぜてしまうと、母乳の抗菌作用が低下したり、ミネラル分の吸収が阻害される可能性があります。
【再冷凍しない】
一度解凍した母乳は再冷凍せず、2時間以内に赤ちゃんに飲ませるか、廃棄しましょう。
【においや味が変わることもある】
冷凍した母乳は、味やにおいが変わることがあります。
冷凍することにより母乳中の脂肪分が分解されてにおいの元となる肪酸が増えるからです。
このにおいや味の違いによって冷凍した母乳を嫌がる赤ちゃんもいるようです。
まとめ
冷凍した母乳を持ち歩く際は、溶けないように保冷バッグに入れましょう。
市販の母乳バッグの場合は、保冷剤で挟んであげるといいですよ!
保存や解凍の方法に注意し、冷凍母乳を上手に活用しましょう。