0歳児期から食育を始めよう
食事は生涯にわたり、生きていくために必要な行為。
せっかく食べるなら、おいしく、楽しく、お腹いっぱい食べられるような時間にしたいものです。
健康的に生きていくためには、食事にもバランスや量も重要となります。
食事に関する知識をつけ、関心を持って食べることを目的としているのが、乳幼児期から始める「食育」です。
しかし、0歳児の赤ちゃんは、まだ言葉も分からず、食事といっても離乳食の段階。
食育は、どのように始めていったらいいのでしょうか。
0歳は食べることの楽しさを感じる食育
生まれたばかりの頃は、ママの母乳やミルクをごくごく飲んで育ってきた赤ちゃん。
生後5ヶ月頃になると離乳食で、初めて母乳やミルク以外の食事がスタートします。
初めての味は、口に含んだ瞬間ビックリしてしまうかもしれませんね。
中には初めてのおかゆを吐き出してしまったり、なかなかスプーン小さじ1杯が食べられないという赤ちゃんもいることでしょう。
たとえなかなか食べられなかったとしても、赤ちゃんが「食事は楽しいもの」と思えるような時間にしてあげることが、最初の食育だと考えます。
「おいしいね」「もぐもぐしてみようか?」「ごっくんできたね、えらいね!」など、赤ちゃんがポジティブにとらえられるような言葉がけを心がけてあげましょう。
積み重ねにより赤ちゃんも「食事って楽しい時間なんだな」と感じてくれるようになります。
離乳食が進んでいっても、赤ちゃんにとって「食べることは楽しい」と思える雰囲気作りは忘れずに過ごしていきたいですね。
0歳児期も自分で意欲的に食べてみよう
次に大事にしてほしいと思うことが、赤ちゃんが意欲的に食べられるということ。
自分でスプーンで食べたがったら持たせてあげてもいいですし、離乳食後期ごろからは手づかみ食べにもチャレンジしていきましょう。
もしかしたら、食べることに時間がかかったり、目標としていた量が食べさせられないこともあるかもしれません。
それに、上手にできない赤ちゃんですから、食べこぼしで大変なことになるかもしれませんね。
それでも「自分で食べられた」という満足感は、今後赤ちゃんが意欲的に食事をしていくためには大事な体験だと考えます。
そのような機会を多く作ってあげたいですね。
離乳食はおやきや小さなおにぎり、バナナなどの、手づかみでも食べやすいメニューを考えてあげましょう。
食べこぼしの処理が大変でしたら、椅子の下に新聞紙を敷いたり、汚れてもすぐに取り換えられるようなスモッグタイプのエプロンを活用すると便利ですよ。
0歳児期から様々な味に親しもう
0歳児の離乳食では、食材の味を生かした素朴な味付けが基本です。
素材の味を楽しみながら、さまざまな食材に親しめるようにしてあげたいですね。
しかし、赤ちゃんにも味の好みというものがあります。
もしかしたら、青野菜などのえぐみや苦みのあるものや食感に癖がある食べ物だと、赤ちゃんもあまり好んで食べてくれないかもしれませんね。
口から出されるとママもストレスですし、赤ちゃんも楽しく食べられないかもしれません。
出汁を活用したり、かぼちゃやさつまいもなどの甘い食材、しらすや納豆など味が少し濃いめのもの、卵とじなど食べやすくなる調理方法などで、工夫しながら食材に触れられるようにしてあげましょう。
離乳食が進んでくると、見た目にこだわった離乳食を赤ちゃんは好んで食べてくれることもあります。
赤ちゃんが大好きなお花や動物に見立てたり、野菜ペーストを上手に使ってキャラクターに見立てたお子様ランチ風に仕上げたりと、工夫してみましょう。
0歳児の食育で気をつけたいこと
0歳児から始める食育では、以下のポイントにも気を付けてみてください
【安心して食べられるように】
赤ちゃんが食事をしてくれないと、ママも困ってしまうし、つい怒りたくなることも。
その気持ちも分かりますが、赤ちゃんが食事=怒られるかも…と感じてしまうと、食事をますます嫌になってしまうこともあります。
赤ちゃんが安心して自分のペースで食べられるようにしてあげてください。
栄養バランスや食べる量なども大事ですが、赤ちゃんが少しでも食べられたことを一緒に喜んであげながら、少しずつ進めていきましょう。
【食事に集中できる環境を】
食べることを楽しみ、食事に興味を持ってほしいと考えます。
おもちゃは片づけてテレビは消し、食事に集中できる環境を心がけましょう。
【無理に進めようとしなくていい】
離乳食には月齢に合った進め方がありますが、あくまで目安ととらえてください。
小食な赤ちゃんもいますから、赤ちゃんが食べられるペースで進めていきましょう。
ただし、進みの遅さが気になるなどあったら、小児科医や健診の時に保健師に相談してみましょう。
赤ちゃんが食事を楽しめるように
0歳児の赤ちゃんなりに「おいしい」と感じたり、「これはどんな味がするんだろう」と興味を持ったりと、食事に関心を持ち、楽しく食べることが、この時期の食育の目的とも言えます。
生涯に渡る食事の時間を楽しめるよう、食育の基礎を伝えていきましょう。