生まれつきベビーサインを使えるという誤解
ベビーサインのメリットが注目され、認知度がアップしている一方で、まだまだ誤解されている面もあります。その1つが、赤ちゃんが生まれつきベビーサインを使えるという誤解です。
ベビーサインは、コミュニケーションをとるための言語です。本来ベビーサインは、決まったものがあるわけではなく、ママと赤ちゃんとのコミュニケーションの中で作られ、共有されて自然に行っていくものです。
生まれつき日本語を話せる赤ちゃんがいないように、生まれたときからベビーサインを使える赤ちゃんもいません。 ママとアイコンタクトをとりながら、1つ1つ覚えていくものです。
最初から上手にできるわけではないので、なかなか赤ちゃんが覚えてくれない・ベビーサインをしてくれないと言って、イライラしたり悩んだりすることのないようにしましょう。
ベビーサインを使う子は頭がよくなるという誤解
ベビーサイン発祥の地であるアメリカの研究では、ベビーサインの育児法を行った子どものIQは、そうでない子どもよりも高いという結果が出たことがあるそうです。 しかし、そもそもIQとは知能指数ではなく、発達指数を示すものです。
小さい子どものうちは、発達に個人差が大きく出る時期なので、たとえ幼児期にIQが高かったとしても、大人になったときにはそうでない場合もあります。
ベビーサインというのは、このような早期教育を目的としたものではなく、あくまで親子のコミュニケーションをスムーズにし、絆を深めるための手段です。ベビーサインをたくさん使えれば、頭が良くなるといった誤解から、無理に赤ちゃんにベビーサインを教え込んだり、赤ちゃんの反応を過剰に期待してしまわないよう、注意しましょう。
言葉を話すことが遅れるという誤解
赤ちゃんはベビーサインを通してコミュニケーションをとる喜びや楽しさを知ります。すると、「もっといろいろ話したい」と思うようになるでしょう。これは、心や体が成長している子どもの自然な欲求です。
ベビーサインで話せる内容は限られていますから、舌や口の筋肉が発達してくると、話したい欲求が募って、おしゃべりするようになります。その結果、ベビーサインは使わなくなり、ごく自然に言語を話すことにつながっていきますので、ベビーサインを使っているから言葉の発達が遅くなるということは全くありません。
逆に、ベビーサインを使っていたからこそ、コミュニケーション力や語彙力が発達するので、言葉を話せるようになる月齢になると、とてもおしゃべりが上手になると言われています。