断乳とは
何らかの理由で、これまでおこなってきた 母乳育児を中断することを「断乳」もしくは「卒乳」と言います。
断乳と卒乳には、以下のような違いがあります。
・断乳…ママの体調不良や仕事復帰など、ママのアプローチで母乳育児を中断すること
・卒乳…赤ちゃん自らが母乳を必要としなくなり、自然と離れていくこと
どちらも母乳育児を終えるという点では同じですが、ママと赤ちゃんのどちらの都合で母乳育児を終了するかという部分に違いがあります。
断乳時期の目安
赤ちゃんの断乳時期の目安は以下のとおりです。
・赤ちゃんが離乳食を3回しっかり食べている
・母乳以外にも白湯やお茶で水分補給ができている
・生後10ヶ月を過ぎている
以上の条件が揃っていても赤ちゃんがまだ母乳を欲しがっていたり、ママが授乳を続けていて不都合がないようでしたら、母乳育児を無理にやめず、もうしばらく続けていても構いません。
WHOでは2歳頃まで、もしくはそれ以上母乳育児を続けることを推奨しています。
断乳の進め方①短期間で進める方法
職場復帰や治療など、断乳したい日が決まっている場合は、短期間でしっかりと進めていきます。
ママにとっても赤ちゃんにとっても負担が大きくなりますので、失敗しないためにもママがしっかり「断乳する」と決意を持って取り組む必要があります。
【1日目】
最後の授乳が終わったら、母乳を与えるのをきっぱりやめましょう。
赤ちゃんは突然のことで困惑し泣くかもしれませんが、抱っこをしたり散歩などで気分を紛らわせ、決して母乳をあげないようにしましょう。
水分補給は、白湯やお茶を飲ませてください。
母乳の出方にもよりますが、ママのおっぱいのケアも進めていきましょう。母乳が溜まってきておっぱいが張って痛いようでしたら、圧抜き程度に絞り出します。おっぱいを濡れタオルなどで冷やすと楽になることもあります。
【2日目】
引き続き、赤ちゃんが欲しがっても母乳は与えないようにしましょう。
添い乳で寝かしつけていた赤ちゃんは、おっぱいがないことで眠り方がわからず、激しく泣く子もいます。
なるべくスキンシップをとり、「大丈夫よ」とやさしく声かけをしてあげてください。
また、ママのおっぱいのケアも続けていきましょう。乳腺炎にならないよう注意してください。
【3日目】
赤ちゃんが、離乳食をしっかり食べ、徐々に母乳への執着がなくなって来たら断乳成功です。
断乳の進め方②徐々に減らしていく方法
少しずつ母乳をあげる回数を減らし、自然に近い形で母乳育児をやめる方法です。
【①断乳をする日を決める】
断乳する日を決めます。
1ヶ月ほどの期間を設けておくことで、計画的に進められ、ママも赤ちゃんも心の準備が整います。
赤ちゃんにも分かるよう、カレンダーに印をつけておきましょう。
「あと〇日でおっぱいバイバイだね」とカレンダーを見ながら伝えてあげてください。
【②徐々に授乳回数を減らす】
断乳をする日に向けて、母乳の回数を少しずつ減らしていきます。
水分補給は、麦茶や白湯を飲ませましょう。
【③遊びを充実させる】
日中は元気に遊ばせて、母乳が恋しくなる気持ちを紛らわせるようにします。
たくさん遊んで疲れると、添い乳なしでも寝てくれるようになります。
【④寝かしつけを工夫する】
添い乳で寝ていた赤ちゃんは、夜間は特に母乳を欲しがります。
絵本を読む・子守唄を聞かせる、背中をトントンするなど、他の方法で寝かしつけをする習慣をつくりましょう。