新生児の赤ちゃんとのふれあい
赤ちゃんとふれあうことが大切だとは分かっていても、まだ意思疎通が図れず、首も据わらない赤ちゃんにどう接すればよいのか迷ってしまうというママは多くいます。
しかしそんなに構えずとも、赤ちゃんとふれあっている時にママが幸せを感じているように、赤ちゃんも幸せを感じてくれています。
まだ分かりやすく遊ぶことはできませんが、日常のお世話の中でスキンシップを取るだけでも赤ちゃんには十分な刺激になっています。
安心して愛情を持って赤ちゃんとふれあっていきましょう。
カンガルーケアでのふれあい方
生まれたての赤ちゃんに対する働きかけの第一歩は、なんといっても肌と肌をふれあわせることでしょう。 元気に産声を上げた後の1時間ほどの間、赤ちゃんは頭がとてもすっきりしていて、目を開けて何かを見よう、耳を澄ませて何かを聞こうとしているといわれています。この状態を「新生児覚醒状態」といいます。
この時間にママとの最初のスキンシップが得られると特別に強いきずなが生まれると考えられています。 この考え方に則って、分娩直後赤ちゃんをママの胸に抱かせて直接肌と肌をふれあわせるケアを実施している病院もあります。
その姿がカンガルーの子育ての様子に似ていることから、「カンガルーケア」と呼ばれています。
元々はNICUなどで過ごしている低体重出生児に対する医療行為の一環として行われていましたが、今では広く一般的なケアになっています。
産まれたばかりの赤ちゃんは本能的に母乳を求めてママの乳首に吸い付こうとします。 新生児覚醒状態にあるうちにママのにおいや乳首を覚えることで赤ちゃんの哺乳力が強くなり、乳首を刺激してもらうことでママの母乳の分泌も良くなります。
このように、カンガルーケアは特に母乳育児を望むママにとってはメリットのあるケア方法といわれていますが、ミルク育児の場合でもカンガルーケアを行うことによって母子関係を強化、確立する効果が期待されています。
しかし、カンガルーケアはうつぶせの状態で行い呼吸がしにくくなることがあるため、医師や看護師がいる病院に入院している期間に留めましょう。
授乳時やミルクをあげる時のふれあい方
授乳やミルクは赤ちゃんの食事というだけでなく、ふれあいの機会という意味も持っています。 ママやパパの腕に抱かれたとき、赤ちゃんの視線で最も焦点が合う位置にあるのがママやパパの顔なのです。
授乳の回数が多くなればなるほど、赤ちゃんとふれあう機会が増えることになります。 この機会を利用して、じっと目を見つめあったり、話しかけたり、やさしい声で歌を歌ってあげましょう。次第に、赤ちゃんは声に反応するようになります。
母乳をあげながらふれあうことで、赤ちゃんの心にしっかりとママの存在を印象づけることができるでしょう。 それは母乳ではなくたとえミルク育児であっても、抱き方や顔の距離などに気をつけ、母乳育児と同じような状態で授乳をすれば、十分ふれあうことができます。
新生児はほとんどの時間を寝て過ごすため、授乳の時間を利用してゆっくり落ち着いてふれあってみましょう。 この時期にしか見られない表情や動きにもたくさん遭遇することができるかもしれません。
ふれあいによる母子相互作用
赤ちゃんとふれあう機会が増え、赤ちゃんの声にママが反応し声を掛ける、すると生後3~4ヶ月頃から赤ちゃんもそれに応えて笑い声をあげるようになります。
お腹が空いて赤ちゃんが泣けば、ママは授乳し、赤ちゃんは泣き止んで満足します。このように、お互いのやり取りが繰り返されるうちにきずながうまれていくことを「母子相互作用」といいます。
赤ちゃんとふれあうのに特別なルールも準備も必要ありません。 普段のお世話の中で、
①肌にふれあうこと
②目をみつめること
③声を掛けること
まずはこれらのことから始めてみましょう。