妊娠中のカフェイン摂取
今までは気軽にコーヒーや紅茶を楽しんでいたのに、妊娠してからはカフェインやカロリーを気にして好きなドリンクを楽しめないといった悩みを抱えるママが多くいます。
全てを制限してしまうと、逆にストレスがたまってしまうため、この機会に代わりの飲み物を探してみたり、摂取量を抑えてみたりしながら、上手に乗り切ることが大切です。
コーヒーや紅茶、緑茶、ココアなどに含まれるカフェインとは、覚醒作用や解熱鎮痛作用があり、市販の頭痛薬などにも含まれている成分です。
ほかにも、中枢神経系を刺激し、興奮させる作用があり、大量に飲むと不眠や興奮、頻脈、心拍の増加などを起こすことがあります。
特に妊娠中は、カフェインを分解・排泄するのに時間がかかるため、体内に長く残りやすくなります。
カフェインには、血管収縮作用もあるため、大量に摂取すると、胎盤へ流れる血液量を減少させてしまう可能性があり、赤ちゃんが酸素不足や栄養不足に陥る危険もあると言われています。
2001年に世界保健機関(WHO)が公表した文献によると、「紅茶、ココア、コーラ飲料は、ほぼ同程度のカフェインを含み、コーヒーにはこれらの約2倍のカフェインが含まれている。
このため、カフェインの胎児への影響についてはまだ確定していないが、妊婦はコーヒーの摂取量を1日3~4杯までにすべき」とされています。
(厚生労働省「食品に含まれるカフェインの過剰摂取についてQ&A」を元に作成)
これまで日常的に飲んでいたコーヒーやお茶を急にやめるのは精神的なストレスに繋がります。飲む量を控えたり、この機会に代わりの飲み物を試してみるなど工夫しましょう。
妊娠中でも安心なノンカフェインの飲み物
最近では、カフェインレスやデカフェコーヒーなど、カフェインの含有量が少ないものが多く出回っています。量が少ないだけで、カフェインが入っていないわけではないため、こちらも大量摂取は注意が必要です。
一方、ノンカフェインドリンクであれば、妊娠中や授乳中でも安心して飲むことができます。代表的なノンカフェインの飲み物は以下のとおりです。
【たんぽぽコーヒー・たんぽぽティー】
古くから西洋ではコーヒーの代替品として、また、中国では漢方薬「蒲公英(ほこうえい)」として、愛されてきたたんぽぽ。
根を乾燥させ、焙煎したものは、ほろ苦い風味がし、見た目がコーヒーや紅茶に近いため、コーヒー、紅茶好きのプレママや小さな子どもでも安心して飲むことができます。
ただし、たんぽぽの葉には、妊娠中の過剰摂取に注意が必要なビタミンAが含まれていますので、たんぽぽの根を使ったものを選ぶようにしましょう。
【ルイボスティー】
南アフリカ原産のルイボスティーは、人の体液に近いミネラルバランスで、ポリフェノールなどの抗酸化成分や亜鉛、マンガン、セレン、カルシウムなどが含まれており、人気の健康茶です。
赤くきれいなお茶で、すっきりした味わいが特徴なので、食後やつわりの時期にもおすすめです。ただし、マグネシウムや食物繊維が豊富に含まれているため、多く飲み過ぎると腹痛や軟便に注意が必要です。
すっきりとした味わいが好みであれば、酸味がきいたビタミン豊富なローズヒップやハイビスカスなどのハーブティーもおすすめです。
【穀物茶】
玄米茶や麦茶、そば茶など、穀物を焙煎したお茶なら、ハーブティーに比べてくせがないので、飲みやすいでしょう。最近は、栄養価の高い発芽茶も出ていて、手軽に発芽した穀類の栄養も摂取できます。